がんばる農業者紹介

【がんばる農業者紹介 No.17】モノづくり×自然 農業へ

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井本 加奈子(いもと かなこ)さん

現住所:阿波市阿波町
経営品目(規模):養蜂(100群)

モノづくり×自然 農業へ。

就農のきっかけを教えてください

 前職は機械のメンテナンスに関わっており、モノづくりに興味がありました。また、自然が大好きということもあり、農業に興味を持ち始めました。当時、大阪府に住んでおり近郊の中四国地域で研修先を探していたところ、阿波市の地域おこし協力隊が目に留まり、研修に参加することを決意しました。養蜂についてはなにもかもが初めてでしたが、研修先の農家さんが楽しそうに作業していたので、良い印象を持ったことを覚えています。技術面は研修を通して学び、また自分にあっていると感じられたため、就農を決意しました。

経営品目を教えてください

 

 阿波市阿波町で養蜂を営んでいます。現在の経営規模は100群です。研修先では、花粉交配メインの養蜂(花粉受粉を行う農作物に蜂を貸して、受粉の手伝いをする)と、採蜜メインの養蜂(ミツバチを育てて蜂蜜を採取する)の両方を教わりましたが、現在は採蜜メインの養蜂に取り組んでいます。定置養蜂(一か所にとどまり、そこに咲く花の蜜を集める)で行っており、蜜源となる花(ヘアリーベッチ・ハーブなど)は自分で種を蒔いて育てることもあります。

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 まだ就農して1年目(研修は3年間)と初心者であるため、養蜂の基本となる内検(巣箱内を点検して、蜂群の生育状況を調べる作業)をしっかり行うことを意識して取り組んでいます。また、ミツバチの健康を考えて、蜂蜜だけで越冬ができるよう、秋には採蜜量の調整を行い、冬の餌として蜂蜜を巣に残すようにしています。
 販売している蜂蜜については、咲いている花々によって味が変わるので、店頭で販売する際はPOPなどを作り、お客さんに味を少しでも伝えられるように心がけています。

 

 

農業の苦労と喜びはどんなところですか?

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 養蜂の難しいところは、長雨など天候によってミツバチの状態、採蜜量が変わってくることです。大雨になってしまうと、人間と同じようにミツバチもあまり外に出ず、なかなか働いてくれません(笑)。生き物を相手にする仕事ならではの苦労です。また、重いモノを持つことや、内検作業では一つ一つの巣箱を見ることなど、労力がかかる作業も苦労の一つです。現在は、夫婦で取り組むことで効率よく行えています。
 やりがいは、これは農業全般にいえることですが、自分でモノをつくって販売できることです。もともとモノづくりが好きだったこともあり、生産から販売まで自分で行えることには喜びを感じています。また、自然が好きなので、山の近くで作業を行う養蜂では、季節を感じながら過ごすことができ、充実感を感じています。ミツバチが一生懸命働いている姿は可愛らしく、大切な存在です。

 

「人とのつながり」から刺激を得る。

農業を続けていく秘訣は?

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 人とのつながりを持ち、刺激を受けることだと思います。私自身、研修先で養蜂を教えてもらうことは刺激的であり、作業方法等を学んでいくことでモチベーションも上がりました。また、養蜂農家さんの集まりに参加することで、悩みを聴いてもらったり、新しい知識を得たりと刺激を受けることができています。インスタグラムのアカウントも開設していますが、そこでも他の農家さんの作業方法を勉強できます。他者とのつながりを持つことで、刺激や知識を得て、自分のやり方を変化させ、どんどん新しいことに取り組んでいくとやりがいを感じられると思います。

 

これからやっていきたいこと、展開していきたい方向性は?

 やっていきたいことは沢山あります。まずは、ミツバチの環境が良くなるように、蜜源植物を育てていきたいです。ミツバチの健康を考えて、蜜源植物の栽培には農薬を使わない方向でやっていくつもりです。また、採蜜量を増やしオンライン販売など売り方も考えて、販路を拡大させていきたいと思っています。六次産業化にも興味があり、同じく六次化の商品開発に取り組んでいる他のメンバーの意見を聞きながら、試作品を作っています。

これから農業を始める方へエールをお願いします!

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 人によって農業の始め方は様々です。農業をやりたいと思ったらまず、自分にあった始め方を見つけることがポイントだと思います。私は、性格が慎重派であるため、自分の考えだけで農業を新しく始めるというには不安がありました。そんなときに、阿波市の地域おこし協力隊が目に留まり、研修を受けてみることを決意しました。研修を受ける前は全く農業の知識はありませんでしたが、いざ養蜂の世界に飛び込んでみることで、養蜂という自分に合った働き方を見つけることができました。ですから、農業をやりたいと思ったなら、まずは自分にあった始め方を見つけて、農業の世界に飛び込んでみるといいと思います。

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