調達がポイントの設備資金
農地や機械・施設などの設備は、一般的に固定資産といいます。固定資産は「1年以上たたなければ現金化の可能性のない資産」であり、現金や預金などの「1年以内に現金化の可能性のある資産」である流動資産と区分されます。
1年以上たたなければ現金化の可能性がないということは、資金的には長期的に資金を拘束する資産であるということです。
現金で設備資産を購入するということは、現金が設備に代って長期的に寝てしまうことを意味します。設備資金は最初の計画段階でその量は明確になります。例えば、農地を1ha購入するための費用は2千万円とすると、事前に必要な資金の大きさは明確になります。しかし、その農地の購入によって2千万円の資金が長期にわたって寝てしまうわけです。その資金をどう賄うか、調達するかが設備資金の問題となります。
長期的にわたって固定してしまう資金を賄う最もベターな方法は、常識的にいって、固定化してもよい資金で行うことです。だが、資金を調達してくると何らかの意味で調達コストがかかるのです。農協、銀行から借り入れて調達すれば支払利息がかかるわけです。
利息のかからないのは、自己資金ですがいつでもそんな資金が手元にあるわけではありません。通常、長期で低利の制度資金がこうした設備投資には有効に働きます。
このように調達コストの最も低い利息で設備資金をまかなうことが資金運用管理の重要なポイントなのです。
令和5年度新規就農者育成総合対策(経営発展支援事業)について
事業の概要
新規就農者の機械・施設等導入にかかる費用を補助します。
- 補助対象事業費:上限1,000万円 (経営開始資金の受給者は上限500万円)
- 補助率:事業費の3/4以内 (補助金の上限750万円、経営開始資金の受給者は375万円)
交付対象者の主な要件
- 独立・自営就農時に49歳以下の認定新規就農者であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること
- 令和4年度又は令和5年度中に農業経営を開始し、独立・自営就農*する者であること
*主体的に農業経営を行っており、以下ア~エの要件を全て満たすこと
ア.農地の所有権又は利用権を交付対象者が有している
イ.主要な機械・施設を交付対象者が所有又は借りている
ウ.生産物や生産資材等を交付対象者の名義で出荷取引する
エ.交付対象者の農産物等の売上げや経費の支出などの経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理する
3.「青年等就農計画」及び「経営発展支援事業申請追加資料」が農業経営を開始して5年後までに農業で生計が成り立つ実現可能な計画であること
4.市町村が作成する「地域計画のうち目標地図」又は「人・農地プラン」に中心経営体として位置付けられていること(もしくは位置付けが確実であること)
5.「本事業、雇用就農資金若しくは初期投資促進事業による助成金の交付」又は「経営継承・発展支援事業による補助金の交付」を現に受けておらず、かつ過去に受けていないこと
6.本人負担分の全額について、金融機関から融資を受けること
(事業費から補助金額を除いた額、無利子の青年等就農資金を活用可能)
○経営の全部又は一部を継承する場合は、上記の要件を満たし、継承する経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始する者であること
また、継承した農業経営の「現状の所得又は売上を10%以上増加」、もしくは「生産コストを10%以上減少」させる計画であること
※経営開始資金の要件である「新規参入者と同等の経営リスク」は不要
夫婦で就農する場合の特例
夫婦ともに就農し、家族経営協定、経営資源の共有などにより共同経営者であることが明確である場合は、夫婦合わせて1.5倍の額を補助対象事業費上限とする。
(事業費上限1,500万円(経営開始資金受給者は750万円))
法人の場合の特例
複数の新規就農者が法人を新設して共同経営を行う場合は、新規就農者それぞれが、補助対象となる。
ただし、令和4年度よりも前に経営を開始している農業者が当該法人の役員に1名でも存在する場合は補助対象外
助成対象
- 機械(トラックなど汎用性の高いものを除く)・施設等の取得、改良又はリース
- 家畜の導入
- 果樹・茶の新植・改植
- 農地等の造成、改良又は復旧(農地の取得に要する経費は補助対象外)
事業内容の主な要件
- 事業費が整備内容ごとに50万円以上であること
- 事業の対象となる機械等は、新品の法定耐用年数がおおむね5年以上20年以下のものであること ※中古機械・施設については、中古耐用年数が2年以上のものであること
- 農業経営以外の用途に容易に供されるような汎用性の高いものでないこと
- あらかじめ立てた計画の達成に直結するものであること
- 整備する機械・施設等について、園芸施設共済、農機具共済、民間事業者が提供する保険等へ加入すること (家畜の導入、果樹・茶の新植・改植、農地の造成等は除く)
- 個々の事業内容について、単年度で完了すること
徳島県における要件
- 青色申告を実施すること(事業実施年度の4年後の年度までに)
- 家族経営協定を書面で締結していること(経営発展支援事業計画等の承認申請時までに)
- 農業版事業継続計画(BCP)を策定していること(経営発展支援事業計画等の承認申請時までに)
- データを活用した農業(市況などのデータ活用、経営データをPCへ記録等)を実践すること(事業実施年度の次年度までに)
申請窓口
就農地の市町村
採択の決定方法
取組計画に応じた事業採択方式(ポイント制)とし、ポイント上位から採択
(ポイントの例)
- 就農前に1年以上(1,200時間以上)の研修を受けている
- 青色申告の実施
- 家族経営協定の締結(1人で経営する場合はそれに準じたもの)
- 農業版事業継続計画(BCP)の策定(国HPに様式あり)
- データを活用した農業(市況などのデータ活用、経営データをPCへ記録等)
- 農業経営の法人化、雇用の実施
- 農業保険(収入保険・農業共済)等のセーフティネットへの加入
ポイントの詳細は以下の添付ファイルをご確認ください。
- R5国共通ポイント表 (PDF 320KB)
徳島県ポイント.xlsx (Excel2007~:29 KB)
その他
事業の募集は国の募集期間に合わせて実施します。国から募集の案内がありましたら、市町村を通じてお知らせしますので、就農地の市町村へお問い合わせください。