がんばる農業者紹介

【がんばる農業者紹介 No.12】夫婦で働ける仕事。これが農業だった。

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石川 翔(いしかわ しょう)さん・美緒(みお)さん

現住所:徳島県勝浦町
経営品目:みかん、すだち
経営面積:みかん(45a)、すだち(5a)

「夫婦で一緒に働く」。その答えの一つが農業であり、就農のきっかけになった。

就農のきっかけを教えてください

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 一番始めのきっかけは、結婚を機に夫婦で一緒に働ける仕事をしようと決意したことでした。また、夫婦二人とも東京で暮らしていたので、どうせ働くなら東京よりも自然が多く、落ち着いて生活できる地方への移住を検討しました。そのいきさつがあって、移住フェアのようなイベントに参加し、農業という仕事に出会いました。なので、元々農業するために移住しようとした訳ではなく、結果的に農業が自分たちの移住の条件にマッチしたということですね。
 移住先に勝浦町を選択したことについても、そのフェアで勝浦町から「貯蔵みかん農家後継者募集事業」を紹介されたことがきっかけとなっています。移住後の研修体制・住居・就農後の所得イメージ・年間の作業スケジュールを提示していただいたので、特に躊躇することなく移住に踏み切ることができました。

つくっている作物はどんなものですか?

 

 

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 温州みかんを50a程栽培しています。収量にしたら10~15t程ですね。あとは、すだちを10a弱の面積で栽培しています。収量にすれば約1t程です。みかんについては、更に50a程拡大しようと考えています。労働力との兼ね合いにもなりますが、少しずつ農地を借り受けてほしいとの話もいただけてますので、今後も地域の農地を引き受けて、面積を拡大していきたいと考えています。この勝浦町からみかんがなくなるのは寂しいですからね。
 僕たちにみかん栽培を教えてくださった方は、まだ体の動くうちに私たちに経営を承継してくださいました。当初は地域の方から不思議がられたそうですが、実際上手く事業承継する姿を見て、現役のうちに事業承継を進めることの重要性を少しずつ理解してくださっているようです。よく、現役を退いてから事業承継したいという話がありますが、できれば、自分の体や園地が元気なうちに事業承継を進めてほしいと思います。

 

 

自分でライフプランを描けて、自分で目指すゴールを設定できる。これが農業の楽しさ。

農業の苦労と喜びはどんなところですか?

 

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 「農業の」という訳ではありませんが、家の修繕が特に大変でした。空き家はあっても、移住してきてすぐに住める家は少ないと思います。なので、移住して空き家に住む方は、まず空き家の状況をリサーチすることから始めた方がいいと思います。諸々の手続きは役場が助けてくれたので、なんとかなりました。
 農業に関しては、最初の一年は大変でしたけど、今は自分の考えがあって、軌道に乗り始めました。自然を相手にするのでリスクは当然ありますが、自分の時間感覚で働けることは農業の魅力ですね。また、対人関係に関するストレスも少ないことや、他産業に比べて、お金の計算がしやすく、経営を考えやすい所も魅力的です。

農業を続けていく秘訣は?

自分の理想を追求しながらライフプランを設計できることですね。思い描くライフプランに沿って経営品目を選択することができるので、他産業に比べるとかなり自由度は高いです。こうした要因も魅力の一つだった、ストレスの軽減につながっていると思います。

これからやっていきたいこと、展開していきたい方向性は?

 

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 元々ゲストハウスを営みたかったこともあり、就農3年目から、農家民宿を開業しています。今後は、その宿を活用することで、自分たちのみかんの販売額を伸ばしていきたいですね。宿に訪れるお客さんと仲良くなることで自分達の商品を購入してもらえる。こんな好循環が生み出せればいいと考えています。今年からは、農家民宿に加えて、古本屋としての機能も追加しています。収入の柱は農業ですが、これらの相乗効果でさらに、所得を向上させていきたいですね。

新規就農を考えている方へメッセージをお願いします!

 

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 私たちもまだまだ駆け出しですが...。農業にはよく3K(きつい・きたない・かせげない)とうイメージがあるといわれますが、自分の工夫一つでこのイメージを払拭することが可能であるということですね。自分の考え方をしっかりもって、自分なりに「きつくないように」、「きたなくならないように」品目を選定すれば、十分このイメージを払拭できます。稼げないともいいますが、実際稼いでいる方も多いですし、私たちも生活できています。上手く経営している人は逆3Kになっているくらいじゃないですかね。先入観を持たず、自分がどんな経営をしたいかというイメージを持って、農業に臨むことが重要です。

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