がんばる農業者紹介

【がんばる農業者紹介 No.11】自分で創意工夫できること。これが魅力的。

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日岡 寛治(ひおか ひろじ)さん

現住所:徳島県阿波市市場町
経営品目:なす・水稲・ブロッコリー
経営面積:なす(10a)、水稲(10a)、ブロッコリー(30a)

就農のきっかけは「食」。今はその「食」を消費者へより安全・安心に届ける農家になった。

就農のきっかけを教えてください

実家が農家で、子供の頃に「お手伝い」レベルで多少は農業に携わっていましたが、実家を継ぐということは考えておらず、製造業に従事していました。農業を始めるきっかけは2年前にさかのぼります。当時独身の私は体調を崩しており、管理栄養士の資格を持つ現在の奥さんに食事の面から指導を受けていました。その際、「食」ということに興味がわき、実家が農家だったこともあって、就農を決断しました。

つくっている作物はどんなものですか?

 

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メインは夏になすと水稲、冬にブロッコリーをつくっています。なすは一般的ななすと阿波市の若手農業者グループの「GOTTSO阿波」で取り組んでいる翡翠色のなす「美~ナス」を栽培しています。「美~ナス」については、「とくしま安²GAP農産物」の優秀認定を受けています。優秀認定を受けることは大変でしたけど、私の場合は、新規就農した際に「GOTTSO阿波」のメンバーからGAPの取得を勧められたことが大きかったですね。農業を始めた段階からGAPの取得に挑戦できたので、作業環境を整えやすかったように思えます。

※GOTTSO阿波…阿波市の農業後継者が中心となって組織されたグループ。2011年に阿波市観光協会の所属グループとして発足し、徳島県阿波市産の野菜と観光のPRを行っている。GOTTSO(ごっつぉ)とは阿波弁で「ごちそう」という意味の「ごっつぉう」から変化したもので、そこに地元の地名をプラスして「GOTTSO阿波」となった。※GAP…Good Agriculture Practice(農業生産工程管理)の略で、「後始末より未然防止」の考え方を基本とし、農業生産活動を行う上で必要な関係法令等の内容に則して定められる点検項目に沿って、農業生産活動の各工程の正確な実施、記録、点検及び評価を行うことによる持続的な改善活動のこと。

独自の農法や工夫にはどんなものがありますか?

 

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あまり特別なことはしていませんが、まずは人のマネをしてみることですね。人のマネをすることで知識を蓄えて、自分の引き出しを増やしていくことが大切だと思います。私の場合、なすについては、GOTTSO阿波のメンバーや、近所の方たち、ブロッコリーについては両親によく聞いています。

 

農業には失敗できない「一発勝負」の怖さがある。その反面自ら創意工夫し、仕事をすることができる魅力がある。

農業の苦労と喜びはどんなところですか?

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私の前職だった製造業と違い、製品のテストができない点は苦労しています。まさしく「一発勝負」。テストができないだけでなく、天候や病害虫にも左右されるので、怖さもあり、苦労しています。その反面、農業経営は自分が主宰権を持ち、創意工夫しながら営むことができるので、その点はおもしろいです。また、店頭販売でお客様の声を直接聞けたりすると嬉しいですね。消費者の方の声を直接聞く機会は前職では一切なかったので、新鮮ですし、自分の経営に活かすことができます。

農業を続けていく秘訣は?

自分の力で稼いでいかないといけないことがモチベーションにつながっていますね。自分のやり方一つで経営が良くも悪くもなるので、日々創意工夫しながら農業をしています。GAP認証を取得したことも、販路の拡大を見越した工夫点ですね。

これからやっていきたいこと、展開していきたい方向性は?

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経営規模の拡大はどんどんしていきたいと考えています。そのためにも、今は「省力化」を一つの目標としています。GAP認証の取得に際して、作業場の整理整頓はムダをなくすという意味では、「省力化」に貢献しています。規模拡大に関連して、販路の拡大も行いたいですね。独自の販路を開拓していきたいと思います。これに関しては、GOTTSO阿波や農業青年クラブに加入したことで横のつながりが生まれたことは、自分にとって大きくプラスになっています。

新規就農を考えている方へメッセージをお願いします!

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自分も農業を始めたてですが...一つ言えるのは、まずは「農業」を「勉強」して、そして「体験」してから「仕事」にすることをおすすめします。農業は見えない部分のしんどさがたくさんありますし、そもそも農業という世界に足を踏み入れないと分からないことがたくさんありますからね。私も農業を始めた頃は「農業支援センター」の存在すら知りませんでした(笑)。それくらい独自の世界です。
なので、勉強し、体験してから農業を「仕事」として捉えてください。極端に言えば、農産物を作るだけならば誰でもできます。しかし、農業を仕事にするということは、「販売」するまでがプロセスになってきます。このプロセスに自らの工夫・発想の余地があり、私はやりがいを感じています。

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