がんばる農業者紹介

【がんばる農業者紹介 No.16】環境にやさしい農業を。

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大嶽 ひとみ(おおだけ ひとみ)さん

現住所:徳島県阿南市那賀川町
経営品目(面積):水稲(7.5ha)、小松菜(12a)

環境にやさしい農業を。

就農のきっかけを教えてください

 父親が元々3haでお米を栽培していましたが、高齢で体力的に限界が近づいており、農地を守るために継承しようと思ったのがきっかけです。また、腰を据えて取り組める仕事がしたかったというのもあります。個人経営での農業は家の用事をしながらできる、時間の融通が利くのが魅力だなと感じていました。お米に関しては、知識や技術は父親から教わったり、兄が農機具販売店で勤めているので、そこで教わったりしました。また、就農するときは年間150万円給付される青年就農給付金(現在の農業次世代人材投資資金)を活用しました。資金面を含めて、就農するうえで、こういった周りのサポートは大変助かりましたね。

どんな作物を生産していますか?

 

 那賀川の下流に美しい田園風景が広がる那賀川町で、現在7.5haの水稲と12aのビニールハウスで小松菜を生産しています。小松菜は周年栽培が目標です。
 

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 農薬や化学肥料を使わない、環境にやさしい農業に魅力を感じて、できる範囲で有機栽培を行っています。儲けようと思ったら、普通に育てたほうが収量もあるし安定します。小松菜は特に、害虫の被害が大きくて農薬を使わないと難しい部分もありますが、改善点を見つけながらも、有機栽培にこだわっていますね。
 しかし、作物によっては農薬を使わないとやっていけないものもあるので、ほかの人に有機栽培を強いることはしません。自分でできる範囲で、取り組んでいきたいと思っています。

 

 

農業の苦労と喜びはどんなところですか?

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 勉強をもっとしておけばよかったなと思いました。知識があれば、すぐに調べて分析して、何が足りていないのかすぐ対応できるんですけど。分かっていないと、無駄な時間がかかってしまいます。あと、経営面積が増えた分、今までやっていたことが手薄になってしまいます。人を雇用することも考えていますが、限られたお金のなかでやっていくことが、経営の難しさを感じますね。
 農業は時間の融通が利くため、自分の時間が持て、子育てや介護をしながら仕事ができることに魅力を感じています。また、自分が手をかけた分野菜も応えてくれるので、目に見えて結果が分かるというのが、良さではありますね。六次化にも取り組んでいますが、自分が生産した作物が、商品になるというのはやっぱりうれしいですね。やりがいを感じます。

※写真左から 小松菜のアイスクリーム「こまっつ菜」、お米のアイスクリーム「comeme」。
       あいさい広場(徳島県小松島市)にて販売中

「人とのつながり」が支えになる。

農業を続けていく秘訣は?

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 「人とのつながり」を持つことが大切だと思います。仲間がいることや、サポートしてくれる人がいるというのはやっぱり大きいですね。有機農業に取り組んでいるグループや、女性農業者で結成したana-アグリーヌに所属していますが、それぞれの内容にあわせて相談することができます。SNS上でも、ほかの農家さんの情報など参考にできるため、勉強になっています。
 また、お米に関しては用水の関係などもあり、地域の方とのつながりは大事になってきますね。用水については主人のほうが知識を持っているので、そこは頼っています。農業を続けていくには、家族や地域の方、グループ、色々なつながりを持つことが大事ですね。

 

 

これからやっていきたいこと、展開していきたい方向性は?

 地域では圃場整備が進んでいます。今後も農地を有効に活用して、自分のできる範囲で規模を拡大し、自身の経営はもちろん地域の担い手としても活躍していきたいと考えています。環境に優しい有機農業を主に取り組んでいき、お米や小松菜を使った商品など、六次産業化にも力を入れていきたいです。近年は災害も多いため、地元の方の不安を少しでも軽減できるように、防災食を作っています。必要としている人まで届くように、どうにか宣伝もしていきたいですね。

これから農業を始める方へエールをお願いします!

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 始めたばかりの1、2年は若くて体力があったとしても、慣れるまではしんどいと思います。しんどい時は休んで、できるときにやっていく、抱え込みすぎないように周りの人を頼って相談できる、そういった農業をしやすい環境をつくっていきたいなと考えています。また、生産品目が同じときは、競争になってしまいがちな農業ですが、争うのではなく、産地一体となって取り組んでいけるような地域づくりをしたいとも思っています。
 失敗して一時的にへこんだり、体力面的に辛くなったり、色々あると思いますが、抱え込みすぎない程度に辛抱強くやってほしいです。やっぱり、農業をするって考えている方なら、やりたいこととか夢とかあると思います。そのやってみたい作物をしている先輩を見つけて目標にする、資金面なども考慮して計画をたてて、自分のやりたいところはどこなのか、目標を考えながら取り組むとよいと思います。

活用した補助事業

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