徳島県では、新たに農業を始めようとしている方や、就農して間もない方などを対象に、かんきつの先進的な経営体の生産現場などを実際に見学する『かんきつ産地見学会』を2月8日に引き続き開催しました。2019年2月9日は、勝浦町の旧果樹研究所に加え、佐那河内村のすだち農家とみかん農家を訪問しました。
見学先1
勝浦町・旧果樹研究所
2月9日の見学会でも、徳島かんきつアカデミーの実習地となる旧果樹研究所を見学。座学を実施する教室と実技を行う園地を見学しました。実際の教室や園地を見ることで、研修のイメージを膨らませることができました。
見学先2
佐那河内村・大仲香織さん
経営概要
- すだち(75a)
- 労働力:本人・父・母 ※繁忙期は4人ほど手伝い
経営者の感覚を持って農業に臨んでほしい
旧果樹研究所の次に参加者が向かったのは、佐那河内村のすだち農家である大仲香織さんの園地。大仲さんからは、年間の作業や販売額など経営内容を細かく説明いただきました。また、実際の作業で大変なことや、地域に後継者が少ない現実もお伝えいただき、参加者にもぜひ農業の担い手になってほしいとの激励をいただきました。
園地では、参加者からの質問に丁寧に答えていただき、また、せん定後の樹を見た参加者からは「せん定後の樹がきれい!!」との声が挙がっていました。
すだち栽培を始めるなら、まずは露地栽培からスタートする方がいいことや、貯蔵すだちは単価こそいいが、労働力との兼ね合いをしっかり考えて実施するかどうか決めてほしいなど、経営に関してかなり具体的なアドバイスをいただきました。最後には、これから農業に挑戦する人は、消費者のことまで考えることができる、「経営者」の感覚を身につけてほしいとのことでした。
見学先3
佐那河内村・市原善文さん
経営概要
- みかん(70a)、すだち(25a)、キウイ(3a)
- 労働力:本人・妻
農業の魅力。それは、とにかく楽しいこと。
最後に参加者が向かった先は、同じく佐那河内村のみかん農家、市原善文さんの園地と貯蔵庫。市原さんは元JAの営農指導員であることから、自らが持つ技術を的確に参加者に伝えていました。また、徳島県のみかんの歴史にも詳しく生産量の変遷や、佐那河内村と市原さんが栽培する「十万温州(みかんの品種)」の関係性などを分かりやすく、説明してくれました。
市原さんの思う農業の魅力とは、とにかく楽しいこと。市原さんは主要な経営品目以外にも、十数種類の品目を栽培しており、それらを食べること、お裾分けすること、時には出荷すること、どこをとっても楽しいとのことです。自分の大好きな果樹を仕事にできることが何よりも楽しいとのことでした。参加者からは、「技術的なことなど、非常に勉強になった」との声が挙がりました。
参加者の声
- 種なしすだちの樹を見ることができてよかったです。(?さん)
- 農業がどのくらい大変でどのくらい収入があるか、また、どの程度勉強が必要か少し分かりました。(Sさん)
- 中々聞くことのできない生産者の話の中で就農することの良い点や大変な点を考える良い機会となった。(Yさん)
- 寒い中、熱のある質問が多く大変参考になりました。農業志望者の多さに勇気づけられました。(Tさん)
- かんきつアカデミーに応募しようと思い参加しました。いろいろ話してくださり、とても勉強になりました。(Oさん)
- 生産者のお話は勉強になりました。これから色々勉強をしていきたいと思います。(Mさん)
- 果樹栽培をされていて、かつ品目の異なる二人から話を聞けたことはよかった。(?さん)